採用担当をしていたとき、よく「どういう人が受かるんですか?」と聞かれました。
でも実際のところ、“受かる・落ちる”はスキルだけで決まるわけではありません。
面接でのちょっとした受け答えや、書類に込められた思いの伝わり方――
そうした「人柄」や「熱意」に、採用担当は心を動かされます。
この記事では、採用担当として見てきた“受かる人・落ちる人”の違いを、
未経験転職を考えている方に向けて本音でお伝えします。
採用担当をして感じた“選考のリアル”
採用担当をしていた頃、よく「どういう人が採用されるんですか?」と聞かれました。
でも、実際に多くの応募者と向き合って感じたのは――
受かる人・落ちる人は、スキルや経歴の差だけで決まるわけではないということです。
たとえば、未経験でも前向きな姿勢が伝わってきた人。
自分の言葉でこれまでの経験を語れる人。
そういう方は面接を終えた後に、自然と「また話したい」と思える印象を残していました。
逆に、経歴が立派でも「何となく応募した」「とりあえず転職したい」といった気持ちが伝わってしまうと、
どうしても“入社後のイメージ”が描きにくくなる。
結局、採用って「この人と一緒に働くイメージが持てるか」なんです。
私は、選考のたびに「応募者の人柄」や「言葉の温度感」に心を動かされました。
だからこそ、この記事では採用担当として感じた“受かる人・落ちる人の違い”を、
未経験転職を目指す方に向けて本音でお伝えしていきます。
書類選考で伝わる人・伝わらない人の違い
採用担当をしていると、書類を見た瞬間に「この人のことをもっと知りたい」と思う応募者がいます。
それは、完璧な職務経歴書を書いている人ではなく、“自分の言葉で伝えている人”です。
たとえば志望動機が「未経験ですが頑張ります」だけだと、どんなに熱意があっても伝わりにくいんです。
でも、「人と関わる仕事が好きで、営業職で培った対話力を採用業務に活かしたい」
といった具体的な表現があると、一気に印象が変わります。
採用担当が見ているのは、“どれだけ立派に書けているか”よりも、
「この人が何を大切にしているか」なんです。
逆に、テンプレートをそのまま使ったような自己PRや、
職務内容が淡々と並んでいるだけの経歴書は、どうしても印象に残りにくいです。
「誰でも書けそう」と感じてしまうからです。
書類選考は、会う前に自分を知ってもらうための“プレゼンシート”のようなもの。
大切なのは、自分の過去だけではなく「これからどうなりたいか」を言葉にすること。
その一文があるだけで、「この人は前向きに未来を描いているな」と感じてもらえます。
面接で印象に残る人・残らない人の違い
面接で一番印象に残るのは、「上手く話せる人」よりも、“素直に自分の言葉で話す人”です。
たとえば、緊張しながらも「正直にお話しすると…」と前置きして、自分の考えや不安を誠実に伝えてくれた方。
その姿勢に“この人は入社してからも誠実に向き合える人だな”と感じることがよくありました。
逆に、用意してきた答えを完璧に話そうとしすぎて、表情が固くなってしまう人もいます。
内容は悪くないのに、“本音が見えない”と感じると、どうしても印象に残りづらくなるんです。
採用担当が面接で見ているのは、「完璧な受け答え」ではなく「人柄」です。
わからない質問に対しても、「すぐに答えは出ないのですが、私ならこう考えます」と素直に言える人。
その正直さや考える姿勢が、信頼につながります。
また、面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれたとき、
「実際に働く方の雰囲気はどんな感じですか?」など、会社を知ろうとする姿勢を見せると印象がぐっと良くなります。
“自分を売り込む”よりも、“お互いを理解する”というスタンスが伝わる人ほど、採用担当の心に残ります。
元 採用担当として伝えたいこと
採用担当をしていて感じたのは、選考は“優劣をつける場”ではなく、“マッチングの場”だということです。
面接官も「完璧な人」を探しているわけではありません。
会社やチームと“お互いに合う人”を見つけたい、それだけなんです。
だから、落ちたからといって「自分には価値がない」と思わなくて大丈夫。
ただその会社とタイミングや方向性が合わなかっただけ。
あなたの良さを必要としている場所は、必ずあります。
そしてもうひとつ伝えたいのは、未経験でも“素直さ”と“前向きさ”があれば、チャンスは必ずあるということ。
経験よりも、“どんな姿勢で学ぼうとしているか”を見ている企業は多いです。
自分を過小評価せずに、ぜひ自分の言葉で想いを伝えてほしい。
採用担当として、面接を通じて出会った一人ひとりが本気で悩み、努力している姿をたくさん見てきました。
その姿は本当にまぶしくて、「この人の力になりたい」と思う瞬間が何度もありました。
転職活動は、時に苦しいけれど、自分の生き方を見つめ直す大切な時間でもあります。
焦らず、自分のペースで、自分らしい働き方を見つけてください。
きっと、あなたに合う場所が待っています。


コメント